め組の祭り芝居第一弾「鼠小僧」を終えて

「鼠小僧」インタビュー


め組の祭り芝居第一弾「鼠小僧」の公演を終えた四人の俳優が集まり、インタビューしました。
登場人物
新宮 乙矢 / 藤原 習作 / 野村 貴浩 / 老田 亮 / 大澤 智恵子(劇団め組プロデューサー)


まずは鼠小僧の公演おつかれさまでした。
笑いあり涙ありの迫力の舞台でしたが、今回の公演の感想を一言お願い致します。


 新宮  祭り芝居だけにやっぱり楽しかったですね。舞台がああいう感じで、3方向あって・・・・
 野村  一言だよ〜!(笑)
 新宮  たのしかった(笑) で、難しかった。


3方向から見られるって言うのが、難しかったのですか?


 新宮  そうですね、それが一番。稽古中からも気にしないと行けないところだったので。


3方向からお客さんに見られるというのは珍しいのですか?


 新宮  僕ははじめてでしたね。


藤原さんはいかがでしたでしょうか?



 藤原  最初はどうなるかと思ったのですが、結果的にはお客さんが喜んでくれたのでよかったかなあと。
はじめてのことが多かったので、心配もありましたが・・・
太鼓やお囃子もそうですし3方向の舞台もそうですし、演出家の方も初めてお付き合いする方だったので、そういう意味では不安もあった中、本番幕を開けたらお客さんも喜んでくださったので、よかったです。


野村さんはいかがでしたでしょうか?


 野村  お客さんも喜んでくださったので、よかったかな、と思います!


一言でありがとうございます(笑)老田さんはいかがですか?


 老田  お客さんが最後、楽しかった、面白かったと言ってくださったのでとても良かったと思います。
会場一時時間にお囃子とかもあって、そういうのもお芝居を始まる前の良い雰囲気にもなったと思いますし全体的には楽しい舞台だったと思います。


本番の始まる前にお囃子の演奏などを舞台上で行っていましたが、ああいう演出はよくあるんでしょうか?


 新宮  いやー、あそこまでやったのははじめてですね。
鼓をたたいたりは少しはあるんですけど、今回みたいに4〜5ヶ月習いに行ったのははじめてですね。


物販についても今回は色々売っていましたね。お菓子とかビールとか・・・


 藤原  そうですね、祭り芝居って事で、演出から会場全体を縁日的なコンセプトがあったと思うので、お客様に楽しんでいただこう、って事で。
アサヒビールのお膝元って事で、ビールもありましたしね。


会場でのみましたが美味しかったですね


 藤原  そうですよね、そういうのもあってお客さんもお酒が入りつつ盛り上がって楽しめたかな〜と思いますね。
 野村  あそこまでやったらお客さんと一緒に飲みたかったですけどね〜(笑)


そうですね!役者さんは飲めませんものね。
みなさん自身が今回の舞台にかける意気込みなどはありましたか?


 新宮  演技と言うより・・・も、ぼくは太鼓の方が緊張しました。


そうなんですね!


 新宮  人前でたたくのがはじめてだったので、すごく緊張しました。
太鼓の先生も来てたし、余計に。
1人でやってたわけじゃないので、2人で、でしたけど。
でもやっぱりそっちの方がぼくはすごく緊張しましたね〜。


藤原さんはなにか意気込みはありましたか?


 藤原  そうですね、とにかく成功させなきゃな、と思ってましたね。
役の上では江戸っ子なので、そのへんの意識が普通のとがちょっとちがいましたけど、それよりもいろんなことがはじめてだったので、とにかく成功させなきゃと思っていました。


野村さんはどうでしょうか。


 野村  僕は、3方向にお客さんがいるってことで、圧倒的に見にくい席もあったと思いますので、声が聞こえるようにとか、顔が見えないことははないようになど、一人一人のお客さんに対して気をつけないとな、と思っていました。


老田さんはいかがでしょうか。



 老田  とにかく楽しんでもらいたいと思っていましたので、そういった意識はしていました。
今回初めて、お芝居をはじめて見に来た知り合いがいたんですが、お芝居って楽しい物なんだっていうのが分かっていただけたり、いつも見に来て下さってる方も楽しんでいただけたようなので、嬉しいです。


3方向にお客さんがいる舞台は苦労しましたか?


 老田  いつも正面だけなんで、正面だけを意識するんですけど、今回はいろいろな方向から見えてるのかとか、聞こえているのかとかが心配でした。
 藤原  3方向からっていうのでいうと、正面からみるとちょっと違和感があったかもしれませんね。普段動かない動き方をしているので。
正面の方におしり向けたりしますけど、その代わり別方向のお客さんに顔が見えたりとか。
そういった意味だといろいろと普段使わない気を遣いましたね。
 大澤  こっちのお客さんからは一人の顔がみれる、反対は別の役者の顔が見えるなどがありましたね。


見てる側からだとわからないですが、俳優のみなさんの配置や位置取りをかなり考えられたんですね。


 大澤  リハーサルの時点では別の稽古場をつかって、お客さんの席の位置から役者同士で見える、見えないをチェックしていましたよ。


舞台全体の見え方をチェックしたりするので、私たちが想定しているより大変なんですね。皆さんの苦労が伺えます。
鼠小僧のストーリーに関してはいかがでしょうか?配役と自分と似てる点などはありましたでしょうか?


 新宮  似てる点はないですね(笑)
父親の役だったので・・・父親やったことないので父親に見えるのかな、どうなのかなと。
父親には見えないねっていう意見もありましたし(笑)父親の気持ちはわからないので・・・。
最終的には悪いやつですもんね(笑)


ストーリーの結果的には悪いですが・・・鼠小僧のいいところと言えば正義感とか?


 新宮  正義感・・・は、いちおう僕は人並みですかね(一同笑い)
 藤原  鼠小僧がもし現代に今いたら、あんな感じではないんじゃないかなって思います。
現代だとビルからお金をばらまいたりとか、孤児院に匿名でお金を送ったりとかってちょっと不気味じゃないですか。
だから現代に置き換えると、たぶんイメージ違って面白いかなって。


ご自分と配役が似ている点はありましたか?


 藤原  自分と似ているっていう点はあまりないですが、ただ強きをくじき弱気を助ける、という部分とか江戸っ子の気質にあっているかもしれませんね。


野村さん、老田さんはいかがですか?


 野村  わかりやすいストーリーで良かったんじゃないかと思いますね。
 老田  太鼓とかお囃子をやってみたかったです。とくに太鼓はかっこいいなって思います。


役柄と共通するところとかありましたか


 老田  ギャンブルはやらないので、そこはないですけど、やめられないものっていうのって考えると、好きな人のためにやり続けてるものを止めるとかむずかしそう・・・
 藤原  あれってただのギャンブル好きじゃないの?借金をとりかえすためにはまったのかな?


普通にはたらくよりバクチに走っている点を見ると、ある程度バクチ好きだったのかなと思いますがどうなんでしょうか。


 野村  ってことは、つまり、そうは見えなかったって話じゃない(笑)


賭場のシーンはおもしろかったですね。お笑いも有りましたね。


 新宮  あの”ござ”をどうやって片付けるかとか考えたんですけど、場面転換を考えていて、結局芝居に入れました。


あの「片付けてけ!」はとても面白かったです。


 大澤  殺陣とかどうだった?
 新宮  ・・・殺陣よりも、どっちかというとアドリブがすごくて。


あれはアドリブだったんですね!(注:賭場のシーンでアドリブ台詞が多かった)


 大澤  最終日のアドリブすごかったですよ(笑)


見られなくて残念です!
お囃子、太鼓の流れる舞台でしたが、音合わせなどは苦労されましたか?


 藤原  お囃子の演奏としては、BGじゃなかったので、タイミングあわせは特に苦労はなかったですよ。
それより4,5ヶ月でお囃子や太鼓があそこまでできるもんなんだなーと。
お客さんに見せられるようになるのって大変なんじゃないかなと思って、すごいなと思います。
太鼓やお囃子の子達は一時間以上前に稽古場に来て毎日毎日練習してましたよね。


太鼓をたたかれていた新宮さん、実際の所どうでしたか



 新宮  やればやるほどうまくなるっていいますが、太鼓の音がやっぱり大きいので、なかなか練習する場所がないので、音が出すぎて他の稽古の迷惑にもならないようにしたり、稽古場でも練習する時は、毛布を被せて練習しました。


舞台の上ではどうでしたか


 新宮  舞台の上では、太鼓と太鼓同士が結構離れていたので、反響したりして、音がずれて聞こえるんですよね。
交互にたたく所もあり、合わせるのに苦労しました。


実際の稽古はどちらで?


 新宮  両国の太鼓の先生の教室でやっていました。
太鼓と、お囃子のチームは違うところで練習したんですが、お囃子チームは墨田区の方に教わっていました。


演技の方は?


 新宮  稽古場はいつもの場所でやっていましたよ。両国から吉祥寺の移動が大変でした。


劇団め組として、吉祥寺を離れて公演されるというのはあまりないかと思いますが、今回両国のアートスクエアでの公演はいかがでしたか


 新宮  僕と野村さんは、以前に別の公演で一度アートスクエアで公演したのですが、イメージ的にはすごい広いところだと思ってたんだけど、今回は入ってすぐ客席でちょっと驚きました。
 野村  思っていたより狭く感じたんですよね。以前とは違う形の客席と舞台が組まれていたので。
あれ、ホールはこの1階下だっけ?って勘違いしました。


想像してたよりこじんまりしてたのですね。
お客さんと距離が近い舞台っていうのはいかがでしたか?


 新宮  最前列はいつもと変わらないですが、お客さんが入りやすいっていう部分では今回は良い場所だったかなと思います。
ただ、ちょっと吉祥寺からは遠いですね。(笑)
 藤原  ぼくもすごい遠いってイメージがありましたけど、浅草か〜って感じだったのですが(笑)
今回かかわったかたが多くいらっしゃって、太鼓の先生や出店の方がみんな下町の方で、土地がもともともっている人情味の厚い、一見するととっつきにくそうな雰囲気でも、認めて貰えると、とてもみなさんと距離が近づく。本当に粋な人たちが住んでいる、それを感じれたのは大きいですね。
スカイツリーが出来てから行ったのはじめてなんですけど、だいたい今までは仲店とか浅草寺を見て、いつもとあまり変わらなかったけど、スカイツリーが出来たのをみて空間が広がった感じがしました。またいきたいなー、と思いましたね。
回向院に鼠小僧のお墓もあるし、今回の祭り芝居としては、場所はよかったですね。
 野村  回向院はお墓参りにいったの?
 新宮  あ、行きましたよ。


回向院にはどなたのお墓が?


 新宮  鼠小僧のお墓があるんですよ。
前にもみんなで行ったんですよね。
 野村  忠臣蔵のお芝居をしてるときに、ゆかりの土地をまわったんですよ。
 藤原  両国橋を渡ったり泉岳寺とかもいったね。
 野村  今回の会場はビールが飲めるのは良い所だと思いましたね。
それと、いままでは地域の皆さんのチカラを借りてこなかったので、それができたっていうのはよかったですね。


地元の方とふれあえたってことですね。


 野村  そういう風に演出家の方が仕組んでくれたので、浅草という土地ならではの醍醐味だったかなと思っていますね。
 大澤   演出の方も墨田区の出身なのと、墨田区長さんとか、回向院の副住職さんもご挨拶にいらしてくれました。
 野村 さんはいかがですか


 野村  なかなか浅草とかには行かないので、スカイツリーとか隅田川とか、桜も咲いてたり毎日行くのが新鮮でした。


スカイツリーはいきました?


 野村  きれいですよねー、まだ上ったことはないんですけど・・・
ソラマチは行きました。何でも売ってて良いところですね。


今後に活かせる発見などありましたか?


 新宮  3方向って言うのは初めてで、普段一方向のから見られるんじゃなく違う意識をしなければいけなかったので、そのあたりは良い経験にはなったかなと思いますね。
個人的には太鼓もやっていたので、自分としては、習いにいって、それを披露できる場所があるっていうのが、やりがいがあってよかったですね。
役者としてもよかったし、お客さん的にも楽しんでいただける部分だと思います。


他にやってみたいことありますか?


 新宮  楽器はすごくやりたいですね。いままでちゃんとは、やったことないので。
 大澤   目的があって習うといいよね。
付け焼き刃じゃ無理だってはなしもあったんだけど、やれるとことまでやってみましょう、ってことで練習したんだけど、やればできるんだなーって。
 新宮  お囃子チームは週一回くらいを、2,3ヶ月。あとは個人で練習してましたね。
 大澤   事務所でも練習してた人がいましたよ。


藤原さん、今後に活かせそうなことはありましたか?


 藤原  意識的な危機管理はしていたつもりなんで、今後にどうこうってのは特にないですかね。
失敗したらかっこわるいなーとおもってたのと、横から見てもらうのがやっぱり難しいし、お客さんが見づらいなと思ったんでそこは意識しましたね。


正面の席がすくなかったですものね。


 藤原  一番見やすい位置が一番少なかったですね。
まあ普通に作っても面白くないですし、建物の柱の位置とかも考えると、あの配置でベストだったんじゃないかなと思います。
あとビールが飲めるのは良かったですね(笑)


結構飲んでいらっしゃる方も多かったですね。お酒飲んじゃってみんな大丈夫かなと思いましたが(笑)


 藤原  今後もビール付公演をやるといいかもしれないですね(笑)


野村さんはいかがですか?



 野村  劇団としては今後に活かせる、活かさなきゃ行けない発見が多かったかなと思いますね。
大勢の方のお力を借りた点や、演出家がはじめてだったりした点は行かせると思います。
 老田  ぼくは時代劇があらためていいなーとおもいました。
父の影響で子供の頃から時代劇をよくみていたので時代劇が好きです。
暴れん坊将軍とか影の軍団とか。
父の横でよく見てました。


今後の挑戦したいこと、夢などありますか


 新宮  劇団としては周りの人たちを良い意味で巻き込んだ公演、新しい試みをもっとやっていきたいですね。
それと、太鼓をもっとうまくなりたいですね、腕を磨きたいです。
 藤原  個人的には、最初にオープニングパフォーマンスをして下さった方、相撲甚句が何度聞いても感動するんです。
歌を歌って、人に聞かせるとか感動させるとかってすばらしいと思うんで歌とかバンドをちょっとやってみたいなと思っています。
 野村  ぼくは6月に、この4人で参加する外部公演があるんでそれに向けて頑張ります。


どんな舞台ですか?


 野村  幕末時代劇ですね。まだ内容は秘密です。


老田さんは?


 老田  ぼくもそれです!すきな幕末の話なんで。あと個人的には体を鍛えたいです。
 藤原  それ俺が言ったから?(笑)
この人走れメロスやってるんですけど、やせっぽちなんですよ(笑) メロスなのに。
もうちょっとがっちりして欲しいので。


じゃあ筋トレなんかをするんですか?


 老田  そうです。もっと男らしくなろうと思ってます。


最後にお客様に向けて一言お願いします!


 新宮  もっともっといろんな顔をお見せできるように頑張りますので今後もよろしくお願いします。
殺陣のパフォーマンスユニット「SAMURAI11」の公演もやりたいので、イベントなども含めて色々参加したいですので、頑張ります。
 藤原  今回久しぶりに劇団め組としての時代劇をやってあらためて時代劇って良いなと思ったし、お客さんも時代劇を喜んでいる、待ってた、と言う感じなので、8月(?)楽しみに待っていてください。
ぼく今回殺陣なかったので、つぎはばっさばっさとやりたいですね。
 野村  6月、皆さんをお待ちしております(笑)
 老田  今後も色々なことをに挑戦して頑張っていきたいです。


みなさん、ありがとうございました。